黒鉄三十一
とがむ心、天狗ぞ。

イハト十五
腹立つのは慢心からぞ


少し前に既に記事にしたのだが
私としては今一つスキリとしなかったのでまた少し考へてゐた

結局
腹を立てたり咎めたりするのは
対象が自分の予測や期待を上下左右に外れるからだ

予測や期待自体はどうでもいいのだが

其れを外れた事で相手を咎めたり腹を立てたりするのがおかしいのだらう

他人は他人であるから
此方から見て其れがどう見えても腹を立てる筋合ひはない

勿論何らかの対応が必要になる場合もあるだらうから何もせずに受け入れよと云ってゐるのではない

形而上的には心を閉ざしたり距離を置いたりする必要性が出て来る事は多いだらうし

其れが犯罪行為ならば現実に於ける速やかな対応が望まれるだらうが
しかし腹を立てる事ではない
腹を立てずにただ事務的に対応するのみなのだらう

其れで
腹を立てる事の何が問題なのかと考へるに…

もし腹を立てるならば
結局は他人が自分の思ひ通りにならない事に腹を立ててゐるのだと思はれるゆゑ

其れはやはり慢心と云はざるを得ないのだらう

これは正誤や善悪の問題では無い
自分の正しさと相手の誤りが共に自明であったとしても
さうして相手が誤りを正すどころか認めもしなかったとしても
相手に腹を立てるのはやはり慢心と云はざるを得ない


譬へ相手が理不尽に私をバカにしてきたとしても
或いは極論するならば
相手が理不尽に私を殺しに来たとしても状況は同じだ

其れは相手がたださう云ふ生き物であるだけの話で私には関係がない

相手が私の思ひ通りに振る舞わなければならない理由は欠片も無いのだから

思ふにこれが要点なのではないか

相手が当方に合はせた言動をしなければならない理由は何も無いと云ふ事
つまり絶対自由と云ふ事
腹を立てるのはこの絶対自由の否定になるのだね

相手の言動全ては相手自身の問題にはなり得るが
此方には関係がない
此方として相手にしたくないなら其処から心の閉ざし方や絶対的な距離の置き方を学べばいいし
其の他自身の言動に気づくならば其れもいいだらう

しかしもしも此方には関係ない筈の相手の問題に此方が出向くならば

まぁ其れだけならよからうが
出向いた上に腹を立てるとなるとこれはやはり慢心取り違ひも甚だしいと云はざるを得ないのだらう





私としては今のところはこれでスキリとしたかもしれない

まぁ読んでも判りづらかったかもしれないが




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二ヶ領用水
桜の名所です